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(5月8日)

<退職後の医療保険の選択肢>
我が国では国民皆保険制度が確立されています。そのため国民は、金銭的に安心して医療を受けることができます。サラリーマンやOLとその被扶養者であれば健康保険に加入し、自営業者やその家族は国民健康保険に加入することになります。サラリーマンやOLが退職すると、健康保険の被保険者資格を喪失し、健康保険証は会社に返却しなければなりません。その場合、国民健康保険に加入するか、配偶者等が健康保険に加入している場合であればその者が加入している健康保険の被扶養者になるなどいずれかの医療保険制度への加入を検討しなければなりません。今回は退職後の医療保険制度の選択について考察して見ましょう。

<国民健康保険を選択>
国民健康保険は健康保険とは異なり、7割給付(医療に要した費用の3割を自己で負担しなければなりません。)です。また、扶養家族について被扶養者として取り扱われることもありません。但し、60歳以上で定年などにより退職し、老齢厚生年金などが受給できる場合(厚生年金保険等の加入期間が20年以上※生年月日により加入期間の特例もあります。)は「退職者医療制度」により8割給付(自己負担は2割ですみます。)となります。国民健康保険の給付の種類については出産育児一時金(被保険者が出産した場合1児につき30万円を支給)や葬祭にかかる給付(葬祭費)は市区町村の条例で決められていない場合は支給されません。その他、傷病手当金(療養により労務不能の場合に支給)や出産手当金(産前産後の休業中に支給)などは任意給付であるため支給されない市区町村もあります。保険料については、1年間ごとに@世帯別平等割A被保険者均等割B所得割C資産割を組み合わせて決定することになり、この組み合わせ方も市区町村によって異なります。国民健康保険料は前年の所得に対してかかりますので加入の年はかなり高くなると考える方が無難といえます。また、殆どの市区町村は「国民健康保険税」として徴収しています。加入手続きは退職日の翌日から14日以内に行います。

<健康保険の任意加入被保険者となる>
健康保険の任意継続被保険者は退職前に加入していた健康保険に2年間(55歳以降の退職は2年間か60歳になるまでかのいずれか長い期間)を限度に引き続き健康保険に加入できる制度の事です。この任意継続被保険者は退職前の健康保険と同様に8割給付(自己負担額は2割ですみます。)です。また、扶養家族についても被扶養者として取り扱います。でも、保険料
については、全額本人負担となりますので保険料に上限額はありますが、退職時の給与(標準報酬)によっては保険料が在職時の2倍になる場合もあります。傷病手当金を受給している者が任意継続被保険者となる場合、標準報酬に上限があるため、在職中報酬を多く貰っていた方(標準報酬月額が30万円を超える場合など)は傷病手当金の日額が低くなる場合があります。
以前加入していた健康保険が特定健康保険組合であり、退職者が一定期間の厚生年金被保険者期間を有し老齢厚生年金を受けられる場合「特例退職被保険者制度」が適用します。この場合、医療費の自己負担や保険料は在職中とほぼ同じですみます。また、この任意継続被保険者となるには退職日の翌日から20日以内に申請しなければなりません。

<健康保険等の被扶養者となる>
健康保険の被保険者や共済組合の組合員である家族の被扶養者になる方法もあります。被扶養者になる場合は、被保険者等との続柄や同一世帯、被扶養者の収入制限(生計維持関係)があります。被扶養者の収入制限としては、被扶養者となる者の年収が130万円未満(60歳以上や一定の障害者は180万円未満)であることが一つの目安になります。但し、その者が雇用保険から失業給付を受けようとする期間及び受けている期は被扶養者になることはできません。

<最も有利な医療保険制度を選択するには>

以上のように、退職後はいずれかの医療保険制度を選択することになりますが、どの保険を選択するにせよ、健康保険等に加入している家族の被扶養者となる場合以外は保険料は全額自己負担になります。その為、退職前にそれぞれの医療保険の保険料を把握しておくことが重要になってきます。一般的には国民健康保険より健康保険の任意継続被保険者の方が、保険料や給付時の自己負担などを考えた場合、有利であるといわれています。でも、特に定年などで退職した場合は退職後2年目以降は前年の所得も大幅に減少することや「退職者医療制度」を考慮すれば、前年の所得に応じて保険料が決定する国民健康保険料の方に切り替えることも考えられます。




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