
|

 |
(7月18日)
<国民年金を知ろう!>
平成13年5月11日に社会保険庁の調べで’97年度、’98年度の2年間に一度も国民年金保険料を支払わなかった「未納者」が約264万6000人にも上ることが、明らかになりました。これは加入者全体の約16%に相当します。その原因としては制度を維持できるのかどうかといった不信感や保険料負担が重たい、納付手続きが面倒くさい、厚生年金
適用事業なのに会社で厚生年金を適用していないなど様々な要因によるものと考えられますが、これらは全て国民年金制度そのもののPR不足にあるように思えてなりません。時代の移り変わりとともにますます複雑化する国民年金制度。この国民年金制度はどのような仕組みなのか、今回は国民年金について触れてみましょう。
<全国民共通の「基礎年金」>
国民年金は昭和36年に施行されました。当時は「基礎年金」としての位置付けではなく、自営業者や被用者年金制度(厚生年金保険や公務員共済など)加入者の配偶者(当時は任意加入)を対象とした独自の制度でした。しかし、人口構成の変化やサラリーマン世帯の増加などに起因する将来的年金財政の懸念がされるようになり、昭和61年に新しい年金法が施行されるようになりました。
サラリーマンやOL、公務員など厚生年金や共済年金など(被用者年金制度といいます)に加入していれば同時に国民年金にも加入する制度となり被用者年金は国民年金の「上乗せ年金」としての位置付け(年金の2階建て)となりました。したがって国民年金は全国民共通の基礎年金としての位置付けとなりました。この昭和61年に施行された年金制度を「新法」といい、それ以前の年金制度を「旧法」といいます。現在は旧法適用者(大正15年4月1日以前生まれ)の方も新法適用者(大正15年4月2日以後生まれ)の方もおります。また、新法についても直ぐに実施せず、世代間の公平性を保つために時間をかけてじっくりと完成した制度に移行しているため生年月日によって支給開始年齢が異なったり、あるいは加入期間に特例が設けられていたりと非常に複雑化しています。現在ある我が国の様々な制度の中でも年金制度は非常に複雑かつわかりにくい制度の一つと言えます。
<原則は25年以上加入すれば65歳から老齢基礎年金が受けられる>
新法の年金制度は原則として国民年金保険料を25年以上納付すれば65歳から老齢基礎年金を受けることができます。(これが原則になります)新法では日本に住所を有する20歳以上60歳までの者は全員国民年金被保険者となりますから40年間のうち25年以上国民年金保険料(厚生年金加入者等は毎月の給与から厚生年金保険料等として天引きされ、配偶者は直接保険料の負担はありません)を納付していれば65歳から老齢基礎年金を受けることができます。また、国民年金には免除制度があるため保険料免除期間や合算対象期間(受給資格期間には算定対象となりますが年金額には反映されない期間)を加えて25年以上であれば65歳以降、老齢基礎年金の受給権を満たすことになります。また、生年月日によってはこれらの期間が25に満たなくても一定の期間あれば良しとする特例が設けられています。(例:昭和5年4月1日以前生まれの者は24年でも良いなど※これを中高齢短縮特例といいます。)滞納期間が多くなると将来の年金額が低額となるばかりか受けられなくなる(無年金となる)危険性があります。また、一定の障害を負った場合に支給される障害基礎年金についても支給されない危険性もあります。その他、年金法上でも督促により延滞金が課されたり、督促に応じない者に対し社会保険庁長官は国税滞納処分の例によって処分することができるなども規定されています。
<平成13年では老齢基礎年金の満額は804,200円>
65歳以降受けることができる老齢基礎年金の満額は804,200円です。この額は年額であるため月額では67,017円ということになります。(尚、国民年金保険料は平成13年度は月額13,300円です。この額は毎年度、月額500円ずつ上がることになっていますが、ここ数年間は月額13,300円に据え置かれています)但し、これは20歳〜60歳までの40年間全て保険料を納付した場合の額であり、滞納期間等がある場合はその分減額される仕組みになっています。また、この804,200円は毎年4月に物価の上昇に合わせ改定される場合があります。(これを物価スライドと言います。)厚生年金被保険者や共済組合員についてはこの老齢基礎年金の上乗せ年金として老齢厚生年金や退職共済年金も支給されることになります。※老齢厚生年金や退職共済年金については生年月日等に応じて支給開始年齢が65歳前の方もいます。現在のモデル的な厚生年金の給付水準(月額約23万円/夫婦2人分)は現役世代の可処分所得に対して約62%を占めていると言われています。
<保険料の免除>
話は戻りますが、国民年金の被保険者種別は3つあります。@第1号被保険者(自営業者、20歳以上の学生、自営業者の被扶養配偶者など)A第2号被保険者(厚生年金など被用者年金被保険者)B第3号被保険者(20歳以上60歳までの第2号被保険者の被扶養配偶者)です。第2号被保険者や第3号被保険者については直接、国民年金保険料の納付は要しません。(これは基礎年金の財源を厚生年金保険料等から「基礎年金拠出金」として拠出しているためです。)その為、第2号及び第3号については保険料免除制度はありません。(厚生年金保険では育児休業による保険料免除制度がありますが、この期間は基礎年金(国民年金)においては「保険料納付済期間」として算入されます)一方、第1号被保険者は直接国民年金保険料を市区町村(国民年金課など)に納めなければなりません。そのため保険料の納付が困難な者は保険料の納付を要さない保険料の免除制度があります。この「保険料の免除」は「滞納」とは全くことなり、保険料免除期間の3分の1が将来受ける老齢基礎年金額に反映されます。また免除期間について最高10年まで遡って追納することができ、追納すれば当然その部分は老齢基礎年金額に反映されます。(但し、平成12年に創設された学生の納付特例については追納しない限り、その免除期間は老齢基礎年金額に反映されません)また、「保険料免除期間」(あるいは学生の納付特例期間)は障害についても障害基礎年金についての納付要件に加味されます。
<法定免除と申請免除>
免除の種類には「法定免除」と「申請免除」があります。「法定免除」は免除手続きさえすれば保険料の納付を要さないとされる者です。主に障害基礎年金の受給権者(障害等級第3級に該当しなくなった日から3年を経過した者は除く)や生活保護による生活扶助を受けている者などが該当します。公的年金(厚生年金や共済年金、恩給など)から「障害年金」の受給を受けている者は法定免除に該当する可能性は高いと言えます。
一方「申請免除」は免除申請をし社会保険庁(窓口は市区町村)から承認を受けた場合に保険料の納付を要さない者となります。(但し、世帯主や配偶者に保険料負担能力がある場合は免除されません)主に所得がないとき、被保険者やその世帯主が生活保護による生活扶助以外の扶助をうけているとき、地方税法に定める障害者や寡婦で年間所得が125万円以下の者などが対象となります。また、20歳以上の学生については前年の所得がその者の被扶養配偶者の有無および数に応じて68万円(収入ベースで133万円程度)以下等の場合は納付特例の承認を受けることにより保険料の納付が緩和されます。(先にも触れましたが、学生の納付特例については「免除」とはやや異なり、納付特例期間につき保険料を追納(最高10年まで)しない限り、その期間は受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金額には反映されません。但し、万一の障害については障害基礎年金によりカバーされます。)この保険料の免除制度も平成14年4月より、「半額免除制度」が新たに創設されます。この半額免除期間は老齢基礎年金額にその半額免除期間の3分の2が老齢基礎年金に反映されることになります。
冒頭に戻りますが現在、国民年金加入者全体の約16%が未納者(滞納者)ということが明らかとなりましたが、恐らくその中には免除等が受けられる者も決して少なくないのではないかと思えてなりません。「免除」と「滞納」では全く取り扱いも異なります。以前から国民年金保険料の「納付書」の裏面に免除制度や付加年金等について簡単に説明書がされているなどの工夫がされていますが、今後は複雑化した年金制度そのもののPRをどのように取組むのかについても課題の一つになることでしょう。(社会保険労務士 大月 淳)
ご意見,ご感想はinfo@sr-joseikin.comまで
|

| SR助成金ネットワーク |
ご連絡・お問い合わせはこちら
Copyright (C) 2000-2001 SR Subsidy
network.
(WebMaster Daisuke Horikawa)All
rights reserved.
本サイトはInternet Explorer4.0以上、Netscape
Navigator4.0以上でご覧下さい。著作権情報はこちら |
|