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(9月2日)
<失業率、過去最悪の5,0%>
8月28日に総務省は7月の労働力調査結果を発表しました。それによると、7月の完全失業率は過去最悪の5,0%となり、これまでの4%後半から初の5%台へ突入することとなりました。景気判断としての一層の深刻さが完全失業率から見ても明らかな結果となりました。調査開始の1953年以降バブル崩壊の時期までおおよそ2%前半で推移してきた完全失業率もバブル崩壊と伴に上昇を続け、平成9年5月に3,5%と過去最悪な高水準を記録しました。当時は大手都市銀行や大手証券会社などの金融機関の経営破綻が相次ぎいわゆる連鎖倒産などに起因する企業倒産も目立った年でもありました。(平成9年の企業倒産件数16,365件、負債総額14兆209億円)その後、平成10年3月に3,9%翌月の4月では4,1%と初の4%台に突入し、これといった改善も見られないまま平成12年12月に4,9%まで達し今年7月(今回の総務省労働力調査)において5%に達する結果となっています。
<完全失業率の内訳状況>
7月の完全失業率の男女別の内訳を見ますと男性は過去最悪の5,2%、女性は4,7%となっております。完全失業者数は約330万人で男性203万人、女性127万人となっており、330万人以上の高水準が続いております。離職理由では、企業のリストラや倒産など非自発的離職求職者は99万人であり、自分の意志による非自発的離職求職者は114万人となっており、特に15歳〜34歳の年齢層が68万人(全体の約6割)と目立っております。完全失業率5,0%という高水準となった要因は大手企業の人員削減計画による退職金上積み支給による希望退職者の募集に応じた人員が多かったことも伺えます。今後も大手IT関連企業のリストラ計画や大手電気メーカーの早期退職優遇制度のなどの影響も受け非自発的離職求職者の増加傾向は暫くつづくものと思われます。
一方、7月の有効求人倍率については0,6倍(これは失業者1人あたり求人票が0,6枚、即ち1枚にも満たないことを意味します。)と依然低い数字となっております。人員整理(人減らし)が進むと失業者対策は勿論のこと、在籍する労働者についてもサービス残業の増加や多重な責任などの重圧による「過労」という問題も懸念されるようになり雇用環境が悪化するのではないか(既に悪化しているのではないか)とも伺えるようになります。今後は就労時間を短時間に切替え短時間労働者を活用した「ワークシェアリング」についても検討されてゆくものと思われます。失業対策の他、少子・高齢対策も急がれる現状において夫婦共働きで夫婦共に家事をこなす。或いは、新規成長産業の活性化という観点から短時間就労の他にSOHOなどの副業を行い新たな起業家を生むなどの効果も「ワークシェアリング」の導入は一つの手掛かりと言えるかもしれません。
<全国で発動された「緊急雇用創出特別奨励金」>
「緊急雇用創出特別奨励金」は本来、全国の完全失業率が連続3ヶ月の各月において5,2%を超える場合に3ヶ月間全国で発動されることになっておりましたが、平成12年5月16日以降、要件が拡充されており、全国の単月の完全失業率が5,0%以上となった場合に全国で6ヶ月間発動されます。従って、8月29日から6ヶ月間、全国で発動されることになりました。この助成金は対象労働者(45歳〜60歳未満の非自発的離職者或いは45歳〜60歳未満の職業訓練受講者)を公共職業安定所の紹介により雇用保険一般被保険者(短時間労働被保険者は除く)を雇入れた場合に対象者1人あたり30万円が事業主に支給される助成金です。窓口は各都道府県高年齢者雇用開発協会になります。これまで北海道、近畿、九州、沖縄で発動されていましたが、今回初めて全国で発動されることになりました。また、同助成金と類似したものに「新規・成長分野雇用創出特別奨励金」がありますが、「緊急雇用創出特別奨励金」はこれとは異なり業種は特に問われません。(但し、「新規・成長分野雇用創出特別奨励金」も該当する場合は、「新規・成長分野雇用創出特別奨励金」の方が有利といえます。)
<雇用対策のゆくえ...>
8月27日に2年ぶりに「政労会見」(政府が連合など労働界の意見を聴く場)が開催され、その中で小泉首相は「構造改革もやるが雇用対策もしっかりやる」と表明していますが、高失業時代に突入した「痛み」は耐えられるものでなければなりません。日経平均株価も連日最安値を更新し、デフレ対策として、インフレ・ターゲット論が講じられる等の現状において、「構造改革なくして景気回復なし」という断固たる姿勢で臨む「構造改革」。未だ具体的な内容が見えない状況にあります。そのため「痛みを耐える」にも「どのように耐えればよいのか」についても、私達一人ひとりにおいても未だに見えてこない状況にあります。
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