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(2001年1月19日)
<確かに返済不要ですが・・・>
事業主のところへお伺いして助成金の説明をしていると時々「何でもするからもらえる助成金は全部申請してくれ」といった要望を受けることがあります。助成金活用は多くメリットがありますが、基本的には@雇用環境改善措置としての施設の設置等に係るコストの軽減A従業員の失業の防止や新たに雇入れることによって生じる、給与等賃金コストの軽減B既に雇用している従業員の職務能力の開発及び向上のための教育訓練の実施に伴うコストの軽減
といった、企業が従業員のために「何かした」ことに対して、それに要した費用の一部が国から補助されるという性質のものです。そのため、日常業務において受給が受けられるものは殆どの企業ではありません。

 確かに政府助成金は「融資」とは異なり、返済する必要はありません。支給金額も数千万円相当な金額になるのものもあります。失業者の予防あるいは防止・新たな雇用の創出・雇用管理改善と労働力確保などが労働関係助成金制度の本来の目的ですが、事業主側から見れば普通は「資金調達」や「無返済の国から貰えるお金」としての認識が実際のところといえるでしょう。しかしながら、助成金が「何かした」ことに対してそのコストの軽減を図るためのものであるという性質を考えたとき、「助成金のために」人を雇入れる・「助成金のために」社員教育を行ったとしても必ず助成金の受給メリットよりも事業主負担のほうが大きくなります。
助成金はあくまでも「コストの削減」の為のものであるということを認識し、それを踏まえた上で会社が「何かする」ことによる費用負担のリスク「何かしたことによる効果」+助成金の受給メリットをよく考えた上で受給申請を行うかどうかの最終決定を行うことが必要といえるでしょう。

<優良企業ほどもらえない?>
それに対し、助成金の中には、「奨励金」と呼ばれるものがあります。例えば、
特例事業場時間短縮奨励金(週46時間労働が法定労働時間である企業が時短を行った場合に支給)や継続雇用制度奨励金(60歳以降も労働者を継続して雇用する制度を導入した企業に対し支給)などです。これら「奨励金」と呼ばれるものは、特に中小企業では比較的対象になりやすいものが多く、要件も比較的穏やかです。これら「奨励金」と呼ばれるものは政府が推進する施策(いずれは法的な整備により義務化されることが予想されるもの)に積極的に取り組む企業に対し「奨励」するものと言えます。したがって、こちらは「いつかどうせやらなければならない」ものですから、むしろ貰わなければ損な助成金といえるでしょう。しかしながら、これら「奨励金」は先駆的に(助成金の制度ができる前に)労働者のために継続雇用制度を導入したり、時短を行った企業に対しては支給されません。例えば10年前から時代を先取りして70歳定年を定めた企業があったとしてもその企業には全く(今後も)継続雇用に関する助成金は支給されません。
 こういった国が進める政策について、先進的であればあるほど助成金の対象になりにくいというのはまさに奨励金制度の矛盾とも言えるものです。これからも会社業務に関する政策や法制度の動きが浮上してくるものと思われますが、中小企業にとっての一般論として、必ずしもわざわざ会社が負担して時代の先頭を走ったり、時代に先行する必要は無いと言えるでしょう。「
法律は守りつつ、先行しすぎない」が各種政府制度を上手に利用するための秘訣と言えるかもしれません。(社会保険労務士 大月・堀川)





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