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(2001年2月7日)
<確定拠出型年金とは?>
最近、新聞、雑誌、テレビなどではよく「確定拠出型年金」の話題で賑わっておりますが、「確定拠出型年金」とは一体何でしょうか?書店に行くと「確定拠出型年金」について説明された本を沢山目にすることができます。「確定拠出型年金」はアメリカの401kプランをモデルに検討されていることから、何かと横文字も多く、一般の方では中々分かりにくいといった印象もあるのではないでしょうか?そこで「確定拠出型年金」とは一体何か?簡単に概要について触れてみましょう。
<企業年金について「確定拠出型年金」を導入>
我が国の年金制度は4階建ての構造になっております。1階部分は全国民共通の「国民年金」(原則日本に住所を有する20歳以上60歳未満は全員加入)と2階部分は「被用者年金」(民間企業は「厚生年金」で公務員や私立学校教職員などは各種「共済年金」)となっており、更に3階部分は「企業年金」(厚生年金基金や税制適格退職年金)4階部分は各個人の自助努力により運営される「私的年金」となっております。当然、2階部分までの方もいれば、4階部分までの方もいたりと、個人のライフ・プランやライフ・スタイル、職業などにより様々です。
「確定拠出型年金」はそのうちの3階部分に相当(厚生年金基金や税制適格年金などの「企業拠出型」)また、自営業者等が加入する国民年金基金等(「個人拠出型」)においての導入が検討されています。
<社会的構造変化と企業年金>
これまでの年金は「確定給付型」として運営されております。「確定給付型」は、各個人の将来受け取れる給付額は予め確定しており、将来受け取れる給付額に対し一定の予定利率を決め今現在、どのくらいの年金資産を用意し、掛金をどのくらいにしなければならないのかを定めます。このような「確定給付型」は、加入者としては将来設計も立て安く企業としても、有能な従業員の定着を促すことにつながるなどのメリットがあります。しかし、予定利率以上で年金資産を運用できなと企業に皺寄せが来る仕組みとなっているため、少子高齢現象(給付と負担の均衡が困難となる)や長期不況(年金資産の運用利回りが予定利率を下回る)などにより危機的状況を迎えております。ちなみに予定利回りは5.5%程度でしたので、かなりの積み立て不足が予想されます。また、新連結会計制度や税効果会計制度、時価会計制度などに伴い、国際会計基準の導入により退職給付新会計制度が適用され企業年金についてのディスクロージャー
が求められるようになりました。
<退職給付新会計基準>
従来、今従業員が全員自己都合でやめたらいくらの退職金がいるかを「退職給与引当金」という負債で計上したり、それが外部委託の場合は費用として計上したり、と年金資産の現在額を注記する処理が行なわれてきました。しかし、それでは真の企業の財務状況を正確に分析することもできず、世界の投資家から資本を求めるのは難しく、国際的な競争に乗り遅れる状況になります。
そのため、退職給付新会計制度を導入することにより、積立不足をオンバランス(貸借対照表の負債として計上)し、「隠れ債務」であった退職給付債務を「見える債務」とすることによりディスクロージャーを可能にしようとする狙いがあります。そのような状況下、「確定給付型」では顕在化する年金積立金不足が今後一層膨らむことは避けられず、その打開策としても「確定拠出型年金」の導入が期待されている要因となっています。
<「401kプラン」の特徴>
「確定拠出型年金」は、文字通り毎月の拠出額が予め確定している制度です。アメリカの401kプランをモデルに特徴を見ますと、運用リスクは加入者本人が負いますが、投資方法や運用商品の組み合わせを選択することができます。給付額は運用実績により決定されます。その為、年金資産に不足額が生じるなどの「確定給付型」とは異なり、「年金積立不足額」という概念はありません。企業は、従業員が選択した金額に応じ一定割合で拠出(マッチング拠出)することになりますが、そのうちの「利益分配プラン」については、企業収益に応じて変動させることが可能です。また、転職しても移転先に従来の権利を持ち込むこと(ポータビリティー)が可能であるため、従業員にとっては雇用の流動に伴い柔軟に機能します。税制上においても拠出額が所得控除となり、運用益も将来の給付時に繰り延べられますから、年金給付時には所得の減少を前提に考えますとトータル的には税額の負担も軽くなります。
<「確定拠出型年金」導入にあたって>
我が国の「確定拠出型年金」は、アメリカの401kプランをモデルとされておりますが、何といっても資産運用のリスクを従業員個々人が負わなければならないという抵抗感があります。自己責任原則を前提に運用するにしても、ある程度は運用責任の所在を明確にしなければ、あくまでも老後の所得保障制度の一つという概念から逸脱しかねません。また、自由に選択するにはそれなりの「投資教育」を行なわなければ、健全な制度の確立も困難となります。現在、これらの課題も踏まえ検討されておりますが、多くの企業では従来の「確定給付型」との調整なども考慮され「確定給付型年金」と「確定拠出型年金」との折衷型「ハイブリット型年金」の導入も検討されはじめています。(社会保険労務士 大月 淳)
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